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油の質とは?青魚に含まれるEPA・DHAを管理栄養士が解説

  • 13 時間前
  • 読了時間: 5分

前回は、炒め油やドレッシングなど、自分で量を調整しやすい「見える油」についてご紹介しました。

油は、使いすぎればエネルギーのとりすぎにつながります。一方で、健康のために極端に避ければよいものでもありません。

大切なのは、量を整えたうえで、どんな油をとるかという視点です。

今回は、油の「質」に注目し、魚に含まれるEPA・DHAについてご紹介します。


脂質には、いくつかの種類がある


脂質とひとことでいっても、すべてが同じ性質を持つわけではありません。

脂質を構成する脂肪酸は、大きく飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、生クリームなどに多く含まれる脂肪酸です。とりすぎるとLDLコレステロールを上げやすいことが知られており、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも目標量が設定されています。


一方、不飽和脂肪酸は、植物油や魚の脂に多く含まれる脂肪酸です。不飽和脂肪酸はさらに、オリーブオイルなどに多い一価不飽和脂肪酸と、n-6系脂肪酸・n-3系脂肪酸に大別される多価不飽和脂肪酸に分けられます。


脂質

├─ 飽和脂肪酸

│ └ 肉の脂、バター、生クリームなどに多い

└─ 不飽和脂肪酸

 ├─ 一価不飽和脂肪酸

 │ └ オレイン酸

 │   オリーブオイル、なたね油などに多い

 │

 └─ 多価不飽和脂肪酸

  ├─ n-6系脂肪酸

  │ └ リノール酸、アラキドン酸など

  │   大豆油、コーン油、ごま油などに多い

  │

  └─ n-3系脂肪酸

   └ EPA・DHA、α-リノレン酸など

     魚の脂、えごま油、あまに油などに多い


今回注目したいEPA・DHAは、このうちn-3系脂肪酸に分類される脂肪酸です。


EPA・DHAとは?

EPAとDHAは、主に魚の脂に含まれるn-3系脂肪酸、いわゆるオメガ3脂肪酸の一種です。

特に、あじ、さば、いわし、さんま、ぶり、鮭などの魚に含まれます。


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、n-3系脂肪酸について目安量が設定されています。


成人の目安量は、男性で2.2〜2.3g/日、女性で1.7〜2.0g/日です。


なお、この数値はEPA・DHAだけではなく、α-リノレン酸なども含むn-3系脂肪酸全体の目安量です。食事摂取基準では、EPA・DHAだけの目標量は設定されていません。



そのうえで、EPA・DHAは魚からとれるn-3系脂肪酸として、日々の食事の中で意識したい成分です。


EPA・DHAに期待されていること

EPA・DHAは、血清中性脂肪の低下作用や抗炎症作用など、多くの共通した働きが報告されています。国立健康・栄養研究所の情報でも、EPAとDHAはそれぞれ特徴を持ちながらも、魚介類には両方が含まれるため、どちらか一方だけを意識する必要はないとされています。

一方で、ここは少し丁寧に伝えたいところです。

「EPA・DHAをとれば病気が防げる」と断定できるものではありません。

食事摂取基準2025年版でも、EPA・DHAの摂取が冠動脈疾患の予防に有効であることを示した研究報告は多数ある一方、介入研究をまとめたメタ・アナリシスでは一貫した結論が得られていないため、目標量の設定は見送られています。

つまり、EPA・DHAは「これだけとれば安心」というものではなく、魚を含むバランスのよい食生活の中で、無理なく取り入れていきたい脂質と考えるのが現実的です。


魚を選ぶことは、「油の質」を整えることにもつながる

EPA・DHAは、魚そのものに含まれる脂質の一部です。

つまり、魚を食卓に取り入れることは、たんぱく質をとりながら、同時にEPA・DHAなどの魚の脂もとれるということ。

油の質を考えるときは、調理油の種類だけでなく、どの食品から脂質をとるかも大切です。

肉料理が続いていると感じるときは、主菜の一部を魚料理に置き換える。それだけでも、脂質のとり方を見直すきっかけになります。


EPA・DHAを無理なくとるコツ

EPA・DHAをとるために、特別な料理を作る必要はありません。まずは、いつもの肉料理の一部を魚料理に置き換えることから始めてみましょう。

おすすめは、刺身、焼き魚、煮魚、魚の南蛮漬け、さば缶を使った副菜、鮭のホイル焼き、いわしのトマト煮などです。

特に刺身は、加熱による脂の流出が少なく、魚に含まれるEPA・DHAを無駄なくとりやすい食べ方です。忙しい日でも、切り身や刺身盛り合わせを活用すれば、手軽に魚を食卓に取り入れられます。

焼き魚や煮魚にする場合は、魚から出た脂やうま味も一緒に味わえるよう、野菜と合わせたり、煮汁を活用したりするのもおすすめです。

また、魚のにおいが気になるときは、レモン、酢、トマト、香味野菜、ハーブなどを合わせると、さっぱり食べやすくなります。


まとめ:油の質は、魚を選ぶことから整えられる

油は、量だけでなく質も大切です。

油の質を考えるときは、調理油の種類だけでなく、肉、魚、卵、大豆製品など、どの食品から脂質をとるかにも目を向けることが大切です。


特に魚は、たんぱく質と一緒にEPA・DHAをとれる食材です。

「油を控える」だけでなく、とりたい油を含む食品を上手に選ぶ。この視点を持つと、食事はもっと前向きに整えやすくなります。


今回ご紹介する「さかなめし」の鯵のトマトだれは、あじをさっぱりと楽しめる一品です。

トマトのうま味と酸味を合わせることで、魚が苦手な方にも食べやすく、暑い季節にもぴったり。あじに含まれるEPA・DHAを、毎日の食卓で無理なく取り入れられるレシピです。

ぜひ、油の「量」だけでなく「質」にも目を向けながら、魚料理を楽しんでみてください。


鯵のトマトだれ
鯵のトマトだれ

鯵のトマトだれレシピはこちら


参考資料

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「魚油」・文部科学省「食品成分データベース(日本食品標準成分表 八訂 増補2023年)」



 
 
 

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