その『小食・偏食』が将来老ける原因に? 間違ったダイエットが招く「未来の自分」への代償
はじめに 現場で見た「リアルな姿」
「もっと細くなりたい」と、朝食を抜いたり、昼食をお菓子やサラダだけで済ませてしまったり……。
かつて学校で講義をさせていただいた際、そんな「食べているつもり」の学生たちの姿を目の当たりにしました。
若い頃は、多少食生活が乱れていても、その影響がすぐに見た目や体調に現れるとは限りません。
けれど、管理栄養士として長く「食と健康」に向き合ってきた今、私自身も「もっと早く知っておきたかった」と思うことがあります。
それは、若いときの食事が、今の体だけでなく、10年後、20年後の健康や美しさにもつながっているということです。

1.「食べないほど痩せる」とは限りません
体重を減らそうと、極端に食事量を減らす。そんなダイエットを続けると、体はエネルギー不足に適応しようとします。
体重が減る過程では基礎代謝量が低下するだけでなく、体が消費するエネルギーが予想以上に少なくなる「適応性熱産生」という現象が起こることも知られています。
さらに、食事量が少なすぎれば、筋肉を維持するために必要なたんぱく質や、鉄、カルシウム、ビタミンなども不足しやすくなります。
つまり、「食べないこと」だけを頑張るダイエットは、健康的に体を整える方法とはいえません。
大切なのは、必要な栄養をとりながら、自分に合った体重と体調を保つことです。
2.美しさの土台は、皮膚だけではありません
年齢を重ねたときの見た目を左右するのは、肌だけではありません。
近年、顔の老化についての研究では、皮膚や脂肪、筋肉の変化に加えて、顔を支える骨格そのものも加齢とともに変化することがわかっています。こうした骨格の変化も、シワやたるみなど、顔の印象が変わる一因と考えられています。
そして、骨の健康を考えるうえで、とても大切なのが若い時期です。
骨量は成長期に大きく増え、20歳頃に「最大骨量」に達します。その後は年齢とともに少しずつ減少していくため、若いうちにできるだけ丈夫な骨の土台をつくっておくことが、生涯の骨の健康につながります。
極端な食事制限や「やせ」は、骨量の低下や将来の骨粗しょう症のリスクにも関係します。
若い今の食事は、未来の体を支える「骨の貯金」をつくる大切な時期でもあるのです。
3.未来の「選択肢」を守るために
もう一つ、若い女性にぜひ知っておいてほしいことがあります。
十分なエネルギーや栄養がとれず、やせすぎた状態が続くと、月経不順や無月経を起こすことがあります。そうした状態は骨の健康だけでなく、将来、妊娠を希望したときの妊孕性に影響する可能性もあります。
また、妊娠前の「やせ」は、早産や低出生体重児の出産リスクと関連することも報告されています。
もちろん、将来子どもをもつかどうかは一人ひとりの選択です。
それでも、今の自分の体を大切にしておくことは、未来の選択肢を守ることにつながります。
毎日、完璧でなくていい
毎日、完璧な食事をしなければいけない、とお伝えしたいわけではありません。
忙しくて十分に食べられない日もあるでしょう。食欲がない日だってあります。
大切なのは、それがいつの間にか「いつもの食事」にならないこと。
朝食を抜くことが当たり前になっていないか。食事がお菓子だけになっていないか。野菜だけで済ませていないか。
ときどき、自分の食事を振り返ってみてください。
今日食べる一食、一口の積み重ねが、今の元気をつくり、10年後、20年後の体を支えていきます。
「食べない」のではなく、必要なものをきちんと食べて、体を整える。
未来の自分のために、今日から少しずつ始めてみませんか。



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